Arduinoが、Twilio SegmentとCustomerAIを使用して、B2BやB2Cの顧客向けにプライバシー第一のパーソナライズされた体験を構築した方法

Group ticket

70%

エンジニアリングリソースによる効率性向上

Person arrow up

70%

オーディエンスセグメントの精度が向上

Hourglass

90%

新しいデータソースの追加にかかる時間を短縮

チャレンジ

Arduinoでは、Webサイトを訪れる人達とのやり取りを変革し、「眺めるだけのカジュアルブラウザ」と「即購入可能」な消費者に分類したいと考えていました。 

解決策

Twilio SegmentのCustomerAIを使用することにより、Arduinoでは、12のWebサイトの数百に及ぶデータポイントや、Big Queryのサーバー側データ、さまざまなAPIに基づいて、顧客の購買意欲を正確に予測することができました。  これにより、Arduinoは購入する気がある買い物客にのみ広告費を集中し、眺めるだけの人にはパーソナライズされたサポートを提供することができるようになりました。


“当社のマーケティングでは、購買意欲を示した顧客にターゲットを絞り、非アクティブな顧客やエンゲージメントのない顧客を除外することで、広告費を最適化することができました。”

Alice Luzzi氏 デジタルマーケティングスペシャリスト

 

Arduino は、インタラクティブなプロジェクトを作成するための、アクセスしやすいオープンソースの電子プロトタイピングプラットフォームを提供しています。2005年の設立以来、同社は消費者と企業の両方にサービスを提供するまでに成長しましたが、消費者と企業では、必要なエンゲージメント戦略が明らかに異なります。Claudio Scafesi氏が率いるArduinoのデータ分析チームは、デジタルマーケティングスペシャリストのAlice Luzzi氏とともに、最新の顧客データ基盤を確立するための重要な全社的な取り組みを主導しました。

この取り組みの基礎は、ArduinoがWebサイトを訪れる人とやり取りする方法を変革し、「眺めるだけのカジュアルブラウザ」と「即購入可能」な消費者に分類することでした。この分類を利用し、 CustomerAI Predictionsにより予測されたアクションに基づいて広告キャンペーンを打ち出しました。予測オーディエンスは、購入の可能性に応じて「即購入可能」または「休眠中」とみなされる顧客向けに作成され、アクティベーションのために下流の広告プラットフォームへと送られます。  

しかし、この戦略を実行する前には、重要な下準備が必要でした。Scafesi氏とLuzzi氏は、15を越えるさまざまなツールでベンチマークを実施するという大規模な評価プロセスに着手し、最終的には、AIを活用した予測的でスケーラブルなセグメンテーション機能、機密性の高いグローバルデータの管理機能、GDPRへの準拠を理由に、Twilio Segmentを選択するに至りました。  Arduinoのグローバルな事業運営とヨーロッパにおける大きなプレゼンスを考慮すると、機密データのコンプライアンスに準拠した収集とGDPRコンプライアンスの維持が、顧客データプラットフォーム(CDP)を選択する際の最優先事項となりました。Segmentの地域インフラストラクチャ(データ処理のオプションとしてEUを含む)は、Arduinoがこれらの要件を効果的に満たせるようになる上で重要な役割を果たしました。  

Scafesi氏とLuzzi氏は、Segmentの統合CDPで同社のデータサイロに対するソリューションを見つけ、プライバシー法を完全に遵守しながら、顧客とのより良いつながりを実現するためのファーストパーティデータ戦略を実装することができました。  Scafesi氏は次のように述べています。「顧客とのつながりを強化するために、すべてのチームが使用できるツールが必要でした。 Segment以前は、複数のツールやチームにまたがるサイロ化したデータが存在していたため、指標を完全に信頼することはできませんでした。」 

Scafesi氏のチームは、まず12のWebサイトやBig Queryのサーバー側データ、さまざまなAPIなど、膨大なソースからの顧客データを接続して、顧客ベースの完全なビューを提供し、マーケティングチームに正確なオーディエンスセグメンテーションを提供することからSegmentの実装を開始しました。Arudinoのデータチームは、Segmentをテクノロジースタックの中心に据えました。

“Segmentの大きなメリットは、ファーストパーティデータをすべて1つのプラットフォームでアクティブ化できることです。以前のツールでは多くの手作業が必要とされていたため、マーケティングコミュニケーションの選択肢が限られていました。”

Alice Luzzi氏 デジタルマーケティングスペシャリスト

 

Segmentを導入する前は、データチームはオーディエンスのCSVファイルを手作業でアップロードし、データの不一致を定期的に修正しなければならず、貴重な技術リソースを消耗していました。そのため、キャンペーンの立ち上げにも時間がかかり、パーソナライズされた顧客体験を効率的に提供する取り組みにも支障をきたしていました。

Segmentを導入して以来、Arduinoは150を超えるオーディエンスと22ジャーニーを設定し、さまざまな顧客タイプに合わせたコミュニケーションを行い、顧客データを広告プラットフォームに簡単に統合し、データの不一致を修正するためのリソースを節約してきました。さらに、サポート担当者が顧客とのやり取りを包括的に把握できるようになることにより、カスタマーサポートが改善され、効果的にパーソナライズされた対応が可能になりました。 

データサイロの解消 

Arduinoの以前のテクノロジースタックではデータがサイロ化されていたためデータの不一致を招き、エンジニアリングチームはその確認と修正に時間を費やしていました。そのため、マーケティングチームは顧客の体験をパーソナライズできず、成長目標を達成する能力に影響が出ていました。さらなる課題は、ArduinoのWebトラッキングで、これは、12を超えるさまざまなWebプロパティにまたがります。 

Scafesi氏は次のように説明しています。「Arduinoは、数百万人のユーザーに数十のWebサイトを提供する複雑なエコシステムです。Segmentのおかげで、1つのスクリプトですべてのWebプロパティを制御できます。ブログやプロジェクトハブ、ストア、フォーラムなど、Arduinoのプラットフォームには多様な技術アーキテクチャがあるため、これは特に有益です。Segment scriptを組み込み、トラッキングアプローチを統一することにより、Arduinoの広大なエコシステム全体でデータ管理を大幅に簡素化できました」  

Twilio Segment’s role in Arduino’s tech stack
Twilio Segment’s role in Arduino’s tech stack

より良いカスタマーサポートの構築

さまざまなWebプロパティ全体の顧客インタラクションを包括的に把握することにより、Arduinoは顧客サポートを大幅に改善し、より積極的なアプローチを採用できるようになりました。Arduinoのカスタマーサポートチームは、顧客の360度ビューとカスタマーサービスツールからの統合データを使用して、Webサイト、製品、サービス全体のインタラクションに関するインサイトを活用したカスタマイズされたサポートを提供できるようになりました。

こうした取り組みの1つには、顧客がサイト上のさまざまなサービスとどのようにやり取りしているかに基づいて、Arduinoのヘルプセンターを積極的に改善し、Segmentの定性データと定量データの両方を活用して改善点を判断することなどがありました。

正確な顧客エンゲージメントの実現

Segmentを導入した背景にある主な目的の1つは、Arduinoの顧客エンゲージメント戦略を改善し、以前の技術スタックにより制限されていた新しいアイデアを試すことでした。 

以前は、データの不一致により、B2BやB2Cの顧客全体でオーディエンスを正確に構築するArduinoの取り組みが妨げられていました。そのため、マーケティングチームは、ターゲットを絞り込んだ的確なキャンペーンを作成したり、有料メディアのファーストパーティデータを効果的に使用したりすることができず、「関心がない」顧客や「すでにコンバージョンした」顧客に予算を割り当ててしまう可能性がありました。

現在は、ArduinoはB2BとB2Cの顧客ベースを正確にコホート化し、両方にターゲットを絞り込んだ体験を効果的に構築しています。Segmentを利用することで、マーケティングチームはB2Bの見込み客をSegment内で統一して追跡し、重要な見込み客を営業CRMに送信して、営業チームがフォローアップできるようにします。 

B2Cの顧客向けには、SegmentのCDP上に構築されたデータファーストのマルチチャネルマーケティングソリューションである Twilio Engage内で、カスタマイズされた顧客エンゲージメントキャンペーンを構築しました。Arduinoは、SegmentのCustomerAI Predictionsを使用して顧客の購買意欲を正確に予測し、コミットする準備ができている顧客向けの広告費用を節約しながら、まだ閲覧している人にパーソナライズされたサポートを提供します。 これにより、広告費が効率化されるだけでなく、Arduinoは最高のカスタマーサポートを提供できるようになります。たとえば、購入する準備ができている顧客には、包括的な製品情報と、購入を後押しする追加サポートを提供します。対照的に、カジュアルブラウザには、より詳しく知ることができるように追加のコンテンツを提供し、さらに深く掘り下げることができるよう、ガイダンスや特典が追加されます。

顧客体験に関するもう1つの注目すべき改善は、新しいオンボーディングフローでした。現在では、顧客がアカウントにサインアップすると、製品とサービスに関するカスタマイズされた推奨事項を記載した5部構成のメールシリーズがトリガーされます。Twilio Engageにより、Arduinoはファーストパーティデータを利用した単一プラットフォーム内で各メールをネイティブに作成し、任意の数の顧客とカスタムコミュニケーションを実施できます。ターゲットを絞り込んだ新たなメールキャンペーンのおかげで、90日間のメールの平均開封率は38%を維持しています。

製品リリースの最適化

Segmentは、Arduinoの製品リリース戦略を最適化する上でも重要な役割を果たしています。現在、マーケティングチームは、製品リリースのたびに、ページ訪問、ブログや記事のやり取り、購入履歴に関するインサイトを活用した統合キャンペーンを実施しています。たとえば、Arduinoが新しくリリースした開発ボードの1つでは、購入意欲の指標として、関連する製品ページやブログ記事を訪問したユーザーを追跡することができました。こうした顧客インサイトを活用して、ArduinoはGDPRに準拠したパーソナライズされたメールや広告キャンペーンを通じて、顧客のニーズに合致した適切なメッセージにより、これらの顧客を効果的にリターゲティングし、リーチとオーディエンスのエンゲージメントを向上させました。また、プロモーションやその他の機会を逃すリスクがある顧客には、リマインダーメールを迅速に送信しました。

今後について

Arduinoは、Twilio Engage内で構築された顧客エンゲージメント戦略を継続的に改善する予定です。そのような取り組みには、Arduinoストアの顧客生涯価値(LTV)を高めることを目的とした特定のジャーニーをトリガーするためにCustomerAI Predictionsを活用することや、クロスセルやアップセルキャンペーンなどがあります。また、Twilio Engage内でネイティブに構築できるSMSをチャネルとしてテストする予定であり、これにより実験コストが削減されます。


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