IBMがTwilio Segmentを使用し、150の製品ラインにわたって顧客データ基盤を拡張し、収益を増加させた方法とは

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30%
製品採用率の増加
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70%
増収
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10X
投資利益率

課題

IBM Cloudのユーザーの一般的な傾向として、150を超える製品群からなる広範で多様なポートフォリオに圧倒されてしまうことがあります。その結果、顧客はプラットフォームの価値を十分に理解できず、IBMは関連製品のクロスセルも行えません。 

IBMのチームは、ユーザーのエンゲージメントを維持し、 「各顧客にとっての次善の提案」を提供するためには、 電子メール、製品ポップアップ、有料チャネルを介したイベントベースの顧客コミュニケーションを通じて、新製品に関する情報をユーザーに提供するためのパーソナル通知をトリガーする必要があると考えていました。 

解決策

IBMはTwilio Segmentを導入し、リアルタイムの顧客コミュニケーションを提供することで、新製品の採用率と維持率を向上しました。IBMは、Twilio Segmentを使用して顧客を追跡してタグ付けし、カスタマイズされたソリューションを推奨するための機械学習モデルを作成し、そのデータを使用してユーザーに1対1の製品メッセージを積極的に届けることで、ユーザーが圧倒されることなく次にどの製品を使用すべきかを理解できるようにしています。 

Twilio Segmentの導入以来、IBM Cloudは製品採用率が30%増加し、150の製品スイート全体でユーザーエンゲージメントが向上しました。その結果、クラウドチームは新たな増収の機会を発見し、収益を70%増加させました。 


IBMのソフトウェア開発リーダーであるNic Sauriol氏は最近、同組織がIBMの多様な製品ポートフォリオにおいて、既存顧客へのクロスセルとアップセルという大きな機会を逃していることに気づきました。IBMは数百もの製品を数千の顧客に提供しており、提供できるものは豊富ですが、すべての顧客がIBMが提供できるすべてのソリューションを認識しているわけではありません 

Nic氏と彼のチームは、ある分野にチャンスがあることに気づきました。適切な製品情報を用いて顧客をターゲティングする方法を見つけることができれば、IBMは顧客の製品採用を促進し、エンゲージメントを高め、顧客のユースケースを拡大することができます。そこで、チームはまさにそれを目指しました。 

Nic氏のチームの任務は、エンドツーエンドのカスタマーファネルをモニタリングし、顧客主導の意思決定を行うための情報を組織全体に提供することにあります。チームは、顧客行動に関する詳細な洞察を得て、その情報を活用して顧客に新しいソリューションと機能を提供することを目指しています。 

高まる顧客の期待に応えるため、IBMが必要としていたのは顧客体験をカスタマイズできる能力でした。IBMは、的確にターゲットを絞ったリアルタイムのコミュニケーションを実現し、メール、製品紹介、有料メディアといったチャネルを横断してユーザーにリーチし、新製品やユースケースの発見を促す必要がありました。そこで、Nic氏のチームは顧客データインフラストラクチャを構築し、反復的な製品改善と、チャネルを横断したハイパーターゲティングされたイベントベースのコミュニケーションを可能にしました。これらすべてにTwilio Segmentが使用されました。

その結果、製品ユースケースの拡大によるクラウドの収益が70%増加しました。 

現在、IBMのチームはユーザー行動に関する洞察にアクセスできるため、顧客体験を迅速に把握し、最適化できます。 「リアルタイムの統合型データフローにより、私たちはユーザーが当社のプラットフォームで何をしているのかを真に理解できます。どこでデータを見るかは関係ありません。Segmentがあれば、常に一貫性があります」 とNic氏は語っています。

Segmentによって単一のインフラストラクチャ上でデータを標準化し、顧客ジャーニーを可視化し、テストやパーソナライゼーションに重点を置いたスタックを強化することで、IBMは顧客の製品採用、エンゲージメント、拡大を促進することができました。

顧客エンゲージメントを理解し最適化するための統合された顧客データの実現

IBM Cloudは、ハイブリッドクラウド導入プラットフォームにおける豊富な顧客エンゲージメントとサービスにより、当初から急速な成長を遂げています。

しかし、、、ユーザーの行動に関する洞察を提供するリアルタイムの追跡プログラムが不足しているため、顧客エンゲージメントを迅速に理解して最適化できていないことに複数のマネージャーが気付きました。IBMの顧客ジャーニーとナーチャリングにはパーソナライゼーションが欠けていました。IBMがジャーニーの特定の部分についてデータを持っていたとしても、製品チームと成長チームはそれを顧客体験のカスタマイズに容易に活用することができませんでした。その結果、意思決定は確かなデータに基づいて行われず、どのチームも社内の様々な製品全体にわたって統一された視点を得ることはほぼ不可能でした。非常に広範かつ多様な製品ポートフォリオを持つIBMのさまざまな製品やサービスからデータを抽出するには、膨大な作業量を必要としました。

当時、アナリストは既存の分析ツールを使用して、アクティブユーザー数、実行中のアプリケーション数、デプロイメント数、サービス全体で実行されているAPI数などの主要な指標を追跡していました。しかし、データパイプラインは統合されていませんでした。そのため、データの一貫性を確認することが困難でした。

「エンドツーエンドのカスタマーファネルをモニターできる単一のデータソースがありませんでした」と、IBM Cloud Platformの成長と分析に重点を置くソフトウェア開発リーダーのNic Sauriol氏は語っています。

「分析戦略を根本的に見直す必要がありました。目標は、フロントエンドイベントとサーバーサイドイベントの両方を追跡するための一貫したプラットフォームを構築することでした。マネージャーがデータをつなぎ合わせて全体像を把握しなければならない状況は避けたかったのです」と、Sauriol氏は語ります。

IBMは、長年にわたり数多くの製品を開発または買収してきたため、どの顧客がどの製品をどの程度利用しているのか、そして各顧客にとって次に最適なオファーは何なのかを明確に把握していませんでした。これは社内のほぼすべてのチームに影響を及ぼしました。IBMは、製品、販売、マーケティング戦略を推進するための顧客に関する洞察を欠いたまま、手探りで事業を展開していました。顧客基盤の拡大を継続するために、IBM Cloudは顧客行動に関するよりきめ細かな洞察を必要としていました。

正規化された顧客データの収集により、シームレスな顧客コミュニケーションを実現

IBMの事業範囲と規模を考慮し、チームは小規模から始め、段階的に価値を実証していくことを決定しました。IBMは、製品、成長、営業の各チームが一つの製品ラインについて共通のデータインフラストラクチャを利用できるようにすることで、顧客ジャーニーを可視化し、よりパーソナライズされたキャンペーンを実現するという課題を明確化しました。

まず、顧客の全体像把握するために、IBM Cloudチームは、Twilio Segmentを活用したクラス最高のテクノロジースタックを構築することにしました。同チームは、Twilio Segmentを、データ収集、標準化、アクティベーションに使用しています。Twilio Segmentは、複数の製品ラインに拡張でき、チームが使用したいさまざまなツール間で一貫したデータを提供できます。IBM Cloudは、分析、A/Bテスト、エンリッチ化、データウェアハウジングツールをTwilio Segmentに統合しています。下流工程では、IBMはWatson StudioやWatson Natural Language ClassifierといったIBM Watson AI製品の人工知能を活用し、顧客に関する深い洞察を獲得しています。Twilio Segmentがなければ、このプロセスには数ヶ月もの時間と多大な人的投資が必要だったでしょう。

最初の取り組みとして、チームはIBM Cloud上にTwilio Segmentを導入し、その製品に関連するすべてのユーザー行動を把握しました。次に、データをAmplitudeにパイピングして製品チームと成長チームがユーザー行動を分析し、Salesforceにパイピングして営業チームが製品アップグレードの可能性をより詳細に把握できるようにしました。この分析結果に基づき、製品チームと成長チームは、多くの顧客が離脱している場所と、アップセルの可能性のある機会が存在する場所を特定することができました。これらの機会を絞り込み、Intercomのデータを使用してパーソナル通知をトリガーすることで、非アクティブな顧客のエンゲージメントを強化し、新製品をクロスセルしました。 

「私たちは、すべてを一貫して追跡できるというビジョンを持っていました」と、IBMの成長およびユーザーエンゲージメント担当ディレクターのPeter Ikladious氏は述べています。「始めは小規模でなければならないことはわかっていました。出発点は、お客様に関するより深い洞察を得て、お客様とシームレスにコミュニケーションをとることでした。Twilio Segmentと弊社のナーチャリングツールを組み合わせたパイロットプログラムを立ち上げて、このビジョンの実現可能性を検証しました。。」

Twilio Segmentを使用してナーチャリングストリームを顧客データで強化することで、IBM Cloudはメッセージングを個々の顧客に、各顧客の履歴に基づいてカスタマイズできるようになりました。このパイロットの成功を受け、IBM Cloudチームは大規模な展開を決定しました。

「Twilio Segmentによって、これまで使用していたさまざまなデータセットを処理できるようになりました。当社の製品でユーザーが何をしているのかを明確に理解できます。データをどこで見るかは関係ありません。Twilio Segmentをデータ基盤とすることで、常に同じ結果が得られます。私たちはデータリネージを明確に理解し、全社にわたって表示される情報を信頼することができます。」

Twilio SegmentとIntercomを使用した最初のナーチャリングパイロットでは、3ヶ月のテスト期間中に収益が70%増加しました。

会社全体とと製品ラインに拡大

最初のパイロット導入後、IBMは1年以内に5つ製品ラインにシステムを拡大することができました。2年目にはさらに30の製品ラインを追加し、3年目にはTwilio Segmentを活用して製品ポートフォリオを150にまで拡大しました。Twilio Segmentは、エンジニアリング時間の短縮、製品ラインごとの収益とエンゲージメントの向上を実現し、ビジネスの成功を確かなものにしました。

現在、これらの各製品は同じデータ命名分類に基づいており、IBM はTwilio Segment Protocolsを使用して、すべてのデータが自動品質チェックを実施したうえで正しく実装されるようにしています。IBMは、自社のすべてのクラウド製品ラインに共通のインフラストラクチャを実装したため、各アカウントの顧客ジャーニーを全社にわたって調査できるようになりました。 

その結果、Twilio Segmentは、新しい能力をチーム全体で実現しました。

製品

  • Amplitudeの動的なダッシュボード、レポート、グラフィックを使用して、トレンドとユーザーの行動を分析
  • 成長シナリオを可視化し、仮説を立て、実装結果を一元的に確認
  • スタックで生成された情報の汎用データリポジトリとして機能するDB2ウェアハウスに対して、データ分析に関するあらゆる質問をクエリする

成長とマーケティング:

  • Optimizelyを使用して、顧客ジャーニーにおける詳細なデータサイエンスを促進し、サイトやアプリで実験を実施して収益を向上
  • Brazeを使用して、ハイパーターゲティングされたイベントベースのコミュニケーションをトリガーし、顧客ジャーニーを改善し、採用、維持、コンバージョンを促進
  • Twilio Segmentのデータを使用して機械学習モデルを作成し、特定のオーディエンスとユーザーを積極的に特定、理解、リーチする

セールス: 

  • 主要アカウントについて、Salesforceで製品の使用状況と消費に関する洞察を特定
  • リードをエンリッチメント、スコアリング、優先順位付けすることで、販売プロセスの効率を向上

成功: 

  • 主要アカウントにおける活用不足にフラグを立て、関連する新製品を積極的に提案
  • 複数のアカウントを横断して製品利用状況と支出を完全に把握する

大規模な顧客データの力

単一のインフラストラクチャ上でデータを標準化し、顧客ジャーニーを可視化し、テストとパーソナライゼーションに重点を置いたスタックを強化することで、IBMは次のような成果を達成しました。

  • 150の製品でデータを標準化
  • 製品採用率を30%アップ
  • 課金対象利用率を17%向上
  • ダウンロードされたソフトウェアトライアルのエンゲージメントを250ポイント向上
  • 3か月間で70%の売上増加
  • 1つの製品エンジニアリングチームだけで200万ドル以上を節約
  • Twilio Segmentへの投資に対して10倍の利益を実現

データインストルメンテーションが大幅に簡素化され、データパイプラインの構築と維持にかかるエンジニアリングコストが劇的に削減されました。データチームは、データの理解と使用に多くの時間を費やすことができるようになりました。たとえば、チームはこのデータを活用してパフォーマンスの低い機能を廃止し、顧客にとって関連性の高い製品に焦点を当てています。

Twilio Segmentを活用することで、IBMの製品マネージャーとマーケターは成長機会を容易に特定し、それを実現できるようになりました。彼らは実行可能な洞察にアクセスし、仮説を検証してテストすることができるため、収益が大幅に増加しています。実際に恩恵を受けるのは、IBMの顧客です。現在、IBMの顧客はよりパーソナルでつながりのある体験を得ています。 

Twilio SegmentやIBMのコネクテッド統合を含む成長プラットフォームの成功により、IBMはスタック、成長、実験のベストプラクティスを新しい製品、国、言語に拡大しています。

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