出会いのニュー・スタンダード 「オンラインデート」を ビデオチャットで実現

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大により、新しい生活様式の実践が求められています。それは出会いの場においても例外ではなく、同様に新しい「恋愛様式」を模索する動きが始まっているようです。恋活マッチングアプリ「タップル誕生」を開発・運営する株式会社マッチングエージェントは、いち早くその流れをとらえた一社でした。

リアルの「出会い」に替わるソリューションを探究

「タップル誕生」は、主に20~30代の若い世代に向け、共通の趣味を通じて異性との交流や出会いのきっかけを提供しています。会員数500万人という人気を支える最大の特徴は「おでかけ」機能。24時間以内にデートの相手を見つけることを目的とし、女性会員がデートプランを投稿。男性会員が女性の投稿に対してお誘いすることでマッチングし、デートの約束をすることができます。趣味や行きたい場所などの共通点でマッチングするという同アプリのコンセプトは、他のマッチングサービスと一線を画しています。しかし、「出会い」を目的とするマッチングサービスであるからこそ、新型コロナウイルスの影響は事業の根幹にかかわる深刻なものだったとプロダクトマネージャーの永友絢子さんは語ります。「緊急事態宣言による外出自粛によって、人と人との出会いは極端に制限されました。これは、出会うことをゴールとするサービスにとって致命的なことです。私たちは、『会えなくても』お付き合いをサポートできる状態を作る必要に迫られ、その解決策として開発がスタートしたのが『ビデオチャット機能』でした。まずは4月から外部のビデオチャットサービスと連携したサービスを提供していましたが、チャット中のトラブルについては運営側で検知できないことが問題でした。より安全にご利用いただくためにも、アプリ内に自前のビデオチャット機能を追加する必要があったんです。」

スピード感重視の開発を支えたTwilio Programmable Video

「一刻も早いリリースが目標でした」と、開発を担当した開発責任者の高橋優介さんは振り返ります。「ビデオチャット機能の開発において私たちが重視したポイントは『スピード』『安心・安全』『カスタマイズ性』の3つです。このすべてをカバーすることができたのが、Twilio Programmable Videoでした。まず『スピード』ですが、迅速に開発を進めるためには、ドキュメントが整備されている必要があります。TwilioはiOS、Android、JavaScriptそれぞれプラットフォームに該当するSDKが提供され、様々なプログラミング言語でのドキュメントが用意されています。さらに同じグループの他部門でもTwilioの導入実績があったため、その知見を活かすことができたのもスピード感を高めた要因のひとつです。実際、予想していたイメージの約半分の期間で実装が完了しました。次に『安心・安全』ですが、ビデオチャット中に誹謗中傷などの問題行動があった際に内容を確認し監視するため、録画機能を使用できることが要件のひとつでした。他社のサービスは録画機能を自前で追加する必要がありましたが、Twilioであればレコーディングとアーカイブ作成が容易にできます。最後に『カスタマイズ性』ですが、より気軽に、楽しくサービスをお使いいただくための機能追加がしやすいことも重要でした。現在はバーチャル背景やフィルター機能を実装していますが、SDKのインターフェースが整っており、オープンソースコミュニティが活発です。世界的に利用されているサービスであるからこそ、多くの事例を知ることができ、追加開発がしやすいのは魅力的ですね。」

広がりを見せる「オンラインデート」という新しい出会い

「タップル誕生」では、このビデオチャット機能等を使ったデートを「オンラインデート」と名付け、コロナ禍でも安心して恋活ができるサービスとして推進。各メディアでも取り上げられ、大きな反響があったと永友さんは言います。「スピード感を重視したこと、またキャッチーなワードであったことも功を奏し、リリース後に行った調査では『オンラインデート』と聞いて思い浮かぶアプリの純粋想起で1位を獲得するほど広く認知されました。オンラインデートで成立したマッチング数は2020年5月末時点で15万組を超え、この取り組みが出会いの新しい形として受け入れられていることを実感しています。コロナ禍で街コンなどが開催できず、マッチングアプリに対しての敷居が下がっていることも相まって、業界全体で盛り上がりを見せています。オンラインデートをご利用いただいた方からは、LINE交換をしなくても相手と会話ができることや、実際に会う前に顔を見て話すことで、会った時のネガティブギャップが生まれにくいなど好評をいただいています。また1to1でもきちんと運営側が監視している安全な場所でマッチングできることは、より安心してアプリを楽しんでいただくための一助になるのではないかと考えています。今後は、さらにどなたでも利用しやすいサービスを目指した展開を推進していきます。たとえば以前複数人でパフェを作りながら楽しむ『オンライン合コン』が好評だったので、企業とコラボしてコミュニケーションが苦手な方でも参加しやすいオンラインイベントは定期的に実施していきたいと考えています。これからも、多くの出会い方をアプリ内で提供し、新しい出会いのスタンダードを作り続けていきたいですね。」