99%の到達率を実現したSMSでのワンタイムパスワード発行〜開発者フレンドリーなTwilioの魅力とは
読む所要時間:
BASE株式会社では「Pay ID」ログイン時のOTP送信にTwilioのProgrammable SMSを活用。
利便性とセキュリティを両立する手段として、導入の経緯には明確な理由があった。
決済・金融を主軸に、個人やスモールチームを支援するプロダクトを展開するBASE。 そのBASEにおいて購入者向けサービスの要である「Pay ID」では、ユーザーログイン時の認証の際にTwilioのProgrammable SMSを活用しています。セキュリティとユーザビリティの両立が求められるOTP(ワンタイムパスワード)認証において、なぜTwilioが選ばれたのか。開発現場での体験や導入後の効果、今後の展望まで、開発担当者へのインタビューをもとに紐解きます。
ログイン時のSMS認証にTwilioを活用
「Payment to the People, Power to the People.」のミッションのもと、ネットショップ作成サービス「BASE」や、購入者向けショッピングサービス「Pay ID」などを展開しているBASE。同社のサービスでユーザーがログインをする際に、TwilioのProgrammable SMSを活用しOTP(ワンタイムパスワード)を発行しています。複数のSMS事業者を比較した中で、Twilioを選んだ理由をBASE株式会社執行役員/VP of Productの神宮司 誠仁氏にお聞きしました。
神宮司氏「『Pay ID』にBNPL決済サービス(後払い決済サービス)を導入する際、OTPを発行する手段としてSMSを検討しました。メールでの発行もできなくはないのですが、ブラウザの自動補完に対応するにはやはりSMSが有効だと考え、配信事業者の選定を始めました。いくつかの候補が挙がりましたが、その中でTwilioは開発者向けのドキュメントやSDKが非常に充実していて、導入のハードルが低かったことが一番の決め手です。実は以前からメルマガ配信でSendGridを利用しており、Twilioとはもともと接点がありました。その中でエンジニアフレンドリーな企業文化に触れていたこともあり、安心して導入に踏み切れました」
開発しやすい環境でスムーズな進行を可能に
「Pay ID」の開発・運用を担当するPay ID事業部のIDプラットフォームグループ 櫻井 裕山氏は、Twilio導入のメリットを次のように語ります。
櫻井氏「複数の電話番号を購入してルーティングを自動化できたり、ダッシュボードで配信ログをすぐ確認できたりと、エンジニアにとってありがたい機能が揃っています。またアプリケーション改修に合わせてPythonからGoへ開発言語を変更したのですが、TwilioはGo用ライブラリも整備されていたため、わずか1~2週間で導入から検証までを終えることができました」
Web OTP対応では苦労も
導入作業の中では、Web OTP APIへの対応に苦戦したというエピソードも。
櫻井氏「我々が選んだProgrammable SMS APIはメッセージ文面の作成を自前で行う必要があります。VerifyのようなOTP発行から検証まで一気通貫のサービスも検討しましたが、『Pay ID』では複数のドメインやアプリケーションからログインする可能性があるため、柔軟な対応が求められたのです。SMSによるWeb OTP補完は仕様が複雑なので、導入初期は試行錯誤しましたね。最終的には自前でテンプレートを構築しましたが、こういった部分も今後Twilioに支援してもらえるとありがたいです」
99%の到達率が信頼性の証
Twilioの導入効果について、Pay ID事業部のBusiness Growth マネージャー岡崎 良太氏に伺いました。
岡崎氏「『Pay ID』でのOTP到達率は99%を超えており、ユーザーから『SMSが届かない』といった問い合わせはほとんどありません。OTPが届かなければログインができず、ユーザーの離脱にもつながりますが、現段階では大規模障害などもなく、常にステータスも公開されているので安心して利用できています。日本のキャリアは電話番号の管理体系が複雑ですが、そこをTwilioがうまく吸収してくれているからこそ、高い到達率を維持できているのではないかと感じています」
神宮司氏「電話番号をログイン認証に使うことで、一定の本人性を担保できています。メールだと誰が受け取っているかは不明ですが、SMSなら基本的に本人が受信し入力しているはず。決済サービスに求められるセキュリティと、ユーザー体験の両立が実現できました」
海外進出も視野にセキュリティ強化を目指す
今後の展望について、AI連携などによるリスクマネジメントの高度化も構想しています。
「BASE事業を中心に越境ECに注力し、海外のユーザーにも日本国内のユーザーと同じ体験を提供していきたいと考えています。その流れもあり、今後は電話番号にスコアリングをかけて不正検知を行うなど、セキュリティをさらに高める機能に関心があります。たとえば不正決済のスコアが高い場合、自動音声で本人確認を行い、利用者本人かどうかを判断できる仕組みがあると効果的です。ボットによる自動購入などが一般的になる中で、こうした“信頼できる人との接点”を作るテクノロジーはより重要になる。その点でTwilioは、我々のビジョンと合致していると感じます。」
Twilioの開発者フレンドリーな設計と高い到達率は、セキュアでスムーズなログイン体験を支えています。ユーザーに寄り添ったサービスづくりを進めるBASEグループにとって、これからもTwilioは信頼できるパートナーであり続けるでしょう。