開発部門からスタートした新事業 英語教育の未来を切りひらく 「オンラインレッスン」

新型コロナウイルスのパンデミックによって、多くの学校や塾が休校に追い込まれる事態が発生。長期化する戦いの中で、教育業界は大きな変革を迫られています。その柱のひとつとして注目を集める「オンライン教育」という分野において、英語塾を運営する株式会社キャタルは、圧倒的なスピード感をもって新たなビジネスモデルを創り上げました。

開発ファーストで進んだ新事業の立ち上げ大学入学共通テストで英語4技能試験が導入されることが決定し、今までの「読む(Reading)」「聞く(Listening)」だけでなく、「話す(Speaking)」「書く(Writing)」も加えた総合的な英語力が求められるようになりました。株式会社キャタルが運営する英語塾では、独自のカリキュラムとバイリンガル教師によるコーチングで世界基準の英語教育を実践しています。そんなキャタルの事業面における大きな特徴のひとつが、社内にエンジニアチームを持ち、自社サービスの開発を行っていることです。2012年にエンジニアチームを立ち上げた川崎 真素実さんは、現在CTOとして開発関連部門を管掌しています。

「私がキャタルにジョインした当初、まだ電話やメール、FAXを使ってシフト管理をしていたというアナログな状態でしたが、英語教育に加えITにも軸足を置き、「EdTech(Education × Technology)」サービスを提供できる企業を目指すというビジョンに向かい、エンジニアチームを作りました。当初の目的は、学習の記録を残すためのシステム構築でしたが、まずシフト管理など業務改善のためのテクノロジー化を進めることから始め、徐々に組織を改革しました。その後、学習データの記録・管理・分析をする『Catallog』を開発し、いまではレッスンの仕組み中心として運用されています。また、『Rewrites』というライティングの添削サービスも自社で開発・運用を行っています。」

2020年2月、コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、対策準備がスタートしました。オンラインレッスンは、その中心となるプロジェクトです。学習塾は生徒からの月謝で運営されていますので、今まで通りにレッスンを行えないということは死活問題です。一刻も早い対応が求められていました。キャタルでは通常iPadを使った自学自習ベースのコーチングスタイルをとっており、複数人の生徒を複数人の教師が見るという学習方法をとっています。そのため単純にビデオチャットを使った1to1形式では、提供できるレッスンの数が限られ、経営的にも行き詰まることは目に見えていました。はじめは緊急対応を第一優先とし、トライアルの意味も兼ねてGoogle Meetを使ったレッスンを実施していましたが、キャパシティがパンクすることを見越し、ビデオ通話機能を備えた自社システムの開発に乗り出しました。オンラインレッスンでも、教室と同じ学習体験を作ることを目指しました。生徒は、質問や学習の区切りのタイミングで先生とビデオチャットを通じて会話し、フィードバックを受けることができます。先生は生徒からのアクションがあるときだけ対応するため、一度に複数人の学習状況をチェックすることが可能です。試験対策など1対複数の授業形式が適している場合は、Google MeetやYouTube Liveなども選択肢に挙がりますが、レッスンのコアの部分に関しては自社システムによる内製化が必要でした。」

「ビデオ通話機能の内製化を進めるにあたり、スピード感や用途を考えたときTwilio以外の選択肢はありえませんでした。サンプルコードのドキュメントが充実していたこともあって、アカウントを作成してからわずか2~3時間でサンプルアプリを作成。無料の枠内で簡単にプロトタイプを作ることができました。これは事業化への非常に大きな足掛かりとなっています。経営サイドをはじめ、社内のコンセンサスを取るために一番有効な手段は、『できるだけ早く、動くものを作ること』です。開発チームにこのプロトタイプをシェアし、各メンバーがそれぞれ自分でもプロトタイプをスムーズに作成できたことで、TwilioのAPIを利用すればオンラインレッスンができる、という手ごたえを各人が実感することができました。この開発者が迷いなく走り出せる状態、まさにディベロッパーファーストであったことが事業立ち上げのスピードを支えたと言えます。開発全体で言えば、3月頭には利用環境のアンケートを取り、ビデオチャットアプリを使ったトライアルレッスンを開始、徐々に機能を追加しつつGW明けには自社サービスによるビデオレッスンを開始し、その後、正式にオンライン校がスタートしています。ひとつのビジネスモデルをこの短期間でスタートできたのは、驚異的なことです。さらに開発と並行して、アンケート調査でNPS®の集計などを逐次行い、ユーザーが求めているものを的確に把握することを重視しました。その結果から次の改善を実施していくスタイルを徹底することが、高速でPDCAサイクルを回す推進力となっています。またシステムが組み上がり、動作確認を行う段階になって気付いたのですが、Twilioの対応ブラウザの多さには驚かされました。Twilioというユーザビリティの高いツールがなければ、オンラインレッスンにビデオ通話を組み込むという選択肢はなかったかもしれません。その場合、今の効果・反響を得られたかどうかはわかりませんね。」

理想的なアジャイル開発によってスムーズな事業化を導く

「自社開発したビデオ通話システムでのレッスンに置き換わったことで、レッスンキャパシティの問題は概ねクリアできました。現在、既存の生徒でオンラインレッスンを希望する方全員に、滞りなくレッスンを提供できています。Twilioを使ったビデオ通話のクオリティは高く、映像はクリアで遅延もほぼありません。利用者が増えても質が落ちることなく、スケーラブルである点はTwilioならではの魅力と言えます。さらに、自前のシステムにビデオ通話を実装したことで、様々なツールをひとつのサービスに統合することができ、安定した環境でレッスンを提供することが可能になりました。オンラインでもオフラインと同等の顧客体験を提供できていることは、NPS®が通常の授業と変わらない水準をキープしていることからも裏付けされています。教育業界は保守的な傾向もあり、このコロナ禍においても変わりたいけど変われない、という状況が続いています。しかし、私たちはそれをシステムを用いて変えることができました。どこにいても、どんなときも質の高い英語教育を提供できるようになることは、今厳しい状況に置かれている学習塾や生徒たちにも、明るい未来をもたらしてくれる一筋の光になるのではないでしょうか。今後も、ITの力でオンライン教育の未来を盛り上げていきたいですね。」

英語教育の新たな未来を創るオンラインレッスン

「自社開発したビデオ通話システムでのレッスンに置き換わったことで、レッスンキャパシティの問題は概ねクリアできました。現在、既存の生徒でオンラインレッスンを希望する方全員に、滞りなくレッスンを提供できています。Twilioを使ったビデオ通話のクオリティは高く、映像はクリアで遅延もほぼありません。利用者が増えても質が落ちることなく、スケーラブルである点はTwilioならではの魅力と言えます。さらに、自前のシステムにビデオ通話を実装したことで、様々なツールをひとつのサービスに統合することができ、安定した環境でレッスンを提供することが可能になりました。オンラインでもオフラインと同等の顧客体験を提供できていることは、NPS®が通常の授業と変わらない水準をキープしていることからも裏付けされています。教育業界は保守的な傾向もあり、このコロナ禍においても変わりたいけど変われない、という状況が続いています。しかし、私たちはそれをシステムを用いて変えることができました。どこにいても、どんなときも質の高い英語教育を提供できるようになることは、今厳しい状況に置かれている学習塾や生徒たちにも、明るい未来をもたらしてくれる一筋の光になるのではないでしょうか。今後も、ITの力でオンライン教育の未来を盛り上げていきたいですね。」

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