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三菱UFJ銀行

高いセキュリティレベルを維持しながら
AIを活用した議事録作成の効率化を実現

The Results
3
か月でシステム全体の企画から実装を完了
9000
時間 - 目標とする業務削減時間
これからの銀行業務の コミュニケーションのあり方を変革するDX

オンラインでの取引や相談、生体認証、ビッグデータ分析に与信モデルの構築など、銀行業務におけるDXは急速に進んでいます。その中枢で活躍する株式会社三菱UFJ銀行デジタルサービス企画部DX室の藤澤聡史氏に、業務内容についてお伺いしました。「私たちは、一般のお客さまや法人向けのサービス向上、またグループ全体での業務改善のため、2017年頃からDXを促進しています。特にAIを活用した業務効率化、収益の向上、新技術の導入についていち早く取り組み、デジタル・テクノロジーを用いた新しいサービスの形を追求しています。一例として、AIによる審査効率化によって最短2営業日でのオンライン融資を実現したBiz LENDINGが挙げられます。このサービスにより、コロナ禍において一刻も早い融資を必要とされる法人のお客様に対して迅速な対応を行うことが出来ました。このように時代に即した顧客サービスを拡充し、銀行にとって何よりも大切なお客さまからの信頼・信用を獲得していくことが私たちの使命です。」

独自の音声認識AIエンジンを活用した WEB会議議事録システムをTwilioで実現

「新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅勤務が増え、WEB会議が増加しました。そこでモニタリング業務のために使用していた、音声を認識してテキスト化ができるAIエンジン(IBM Watson speech to text、以下Watson STT)を議事録作成に活用しようということになったのです。このAIエンジンはすでに基礎データの学習も進んでおり、銀行業務の専門用語も理解することができます。このAIエンジンをWEB会議システムと連結して議事録システムを構築しようしたとき、どんなコミュニケーション・ツールにも柔軟に、素早く対応できることが必須の要件でした。世の中で利用されている様々なWEB会議システムとAIエンジンを柔軟に連携させる方法として、AIエンジンをWEB会議へ電話参加(コールイン)させる方式をとることにしました。しかし、一般的にプログラムから音声通話を行う仕組みを一から作る場合には非常に煩雑な作業が必要となるため、初期構築費用や導入のスピード感に懸念がありました。こうした背景から、安価で迅速にプログラムから音声通話の取り扱いが行えるソリューションを求めていました。こうした中、Twilioでは音声通話APIに加えてWatson STTとも簡単に接続できるAPIが提供されていました。これは他のサービスにない魅力であり、採用への決め手となりました。また、銀行業務で使用するシステムには、お客さまの資産を守るという点から非常に高いセキュリティレベルを求められますが、Twilioはセキュリティ機能の高いAPIであり、特に通信経路上にデータを保持することなく運ぶだけですから、情報の漏洩がなく安心です。なお、当行でSaaSを採用する際にはセキュリティレベルについてはかなり細かなチェックが必要ですが、開発側の情報開示が難しいということで、対応していただけない場合も多々あります。しかし、Twilioは当行が利用するため必要なセキュリティ認証を保有しており、セキュリティチェックのための各種ドキュメントの提出などにも問題なく対応していただくことができました。さらに、Twilioは費用面でのアドバンテージが高いこともポイントです。従業員が3万人を超え、累積使用時間も膨大になる当行としては、料金を抑えられることができ非常に大きなメリットとなっています。」

Watson STTとのAPIが用意されていたことにより わずか2か月ほどでスピーディに実装

開発と、その後の効果について、デジタルサービス企画部DX室の下川麻衣子氏に伺いました。「10月に企画し、開発に着手したのが12月、その後2月末には実装が完了していました。プログラムから電話を呼び出す仕組みを一から作るとなると、非常に複雑な作業が必要になるのですが、Twilioならそれが簡単にできます。前述のとおり、すでにWatson STTとの連携を前提としたAPIが用意されていた点が大きな理由だったと感じています。導入後も目立ったトラブルは一度もなく、安定して使用できています。もしもTwilioを使ったこの仕組みがなかったら、WEB会議における議事録作成は、大変非効率的だったと思います。Watson STTに会議記録データをアップロードする場合、セキュリティの問題上、行内のシステムからしかアクセスできないようになっています。このためICレコーダー等に記録した音声データを、わざわざ出社してアップロードする必要があります。それでなければ、録音したものを聞き返して人力で文字起こしをするという、非効率的な方法しかないのです。当行の会議議事録の中には、発言記録を目的としたものもあるため、要約や割愛が許されない議事録を作成なければならないこともあります。これを人の手で行うのは大変な手間です。かといって、データをWatson STTにアップロードすれば自動でテキスト化してくれるので手間は省けますが、出社による感染リスクが懸念されます。これに対して、Twilioを使えばWatson STTが直接会議ツールに接続されてデータを取得できるので、出社せずとも議事録作成ができるようになり、コロナ禍においても業務効率を落とさず、かつ従業員の安全を守る一助になっていると自負しています。」

DXによる業務改革こそが未来の銀行のあり方を決める

「AIの施策として、攻めだけではなく守りの部分も強固な体制づくりを進めています。特に自然言語処理、画像分析などは現在でもかなり力を入れて取り組んでおり、AI音声や文章要約には今後より注力していきたいと思っています。また、現在のWEB会議議事録システムは日本語および英語の文字起こしに対応していますが、世界中に展開する当行のコミュニケーションに利用するためのAI同時通訳機能へのニーズへも高まっています。音声データを取扱うシステムの海外展開は各国の法規制の関係もあり難しい部分が多いのですが、使用範囲を広げていくうえで今後はそれらの問題もクリアしていきたいですね。また膨大な受電があるコールセンターの効率化など、音声を使うその他の業務での展開も模索していきたいと考えています。現在、銀行を取り巻く環境は非常に厳しくなっていますが、DXはその中でより発展していくための主要戦略の筆頭です。新技術や他業種との提携も含めて、デジタル化を推し進めることで、これからの道を探っていきたいと考えています。当行が目指す『金融とデジタルの力で未来を切り拓くNo.1ビジネスパートナー』という使命のために、これからも邁進してまいります。」