ANA大規模な運航イレギュラー情報を確実に届ける瞬発力。 Twilioで国内最大規模の航空インフラをサポート

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97.7%

運航イレギュラー情報の通知におけるメール到達率

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Twilio Programmable SMS導入前後のコスト比較

日本を代表する航空会社のひとつである全日本空輸株式会社(ANA)。国内線では最大の路線網を誇り、国際線でも世界各国 へネットワークを拡大しています。自然を相手にしている航空業界だからこそ、悪天候などによる運航遅延や欠航は避けられ ないトラブルです。ANAではこうした運航イレギュラーが発生した際、搭乗予定のお客様に運航情報をメールやSMSで通知する 配信サービスを運用しており、その基盤にTwilioのSendGridとProgrammable SMSを利用しています。

次世代アーキテクチャを見据えたメール配信サービスを模索

現在SendGridを利用して運航イレギュラー時のメール配信を行っていますが、これまでも同様のサービスを運用しており、システム自体に問題はなく、大きなトラブルもなかったと言います。では、なぜSendGridの導入に至ったのでしょうか? その理由をデジタル変革室 サービスプラットフォーム部 デジタルチャネルチームの中村優介さんはこう語ります。「ANAでは、カスタマーエクスペリエンス(CE)の向上に対し、グループを挙げて継続的な取り組みを行っており、航空券の予約から空港カウンター、搭乗待ち、機内、乗り換え、目的地など、さまざまなシーンでの顧客体験価値を高めることを目指しています。そのひとつとして取り組むのが、運航イレギュラー時における情報配信チャネルの拡充です。たとえば欠航や遅延などの際、タイムリーで丁寧なご案内ができるかどうかはCEに大きく影響します。つまりCE向上のためには、運航イレギュラー時にお客様が選択した適切なチャネルに対し、確実に情報を届けることがポイントになるわけです。既存のシステムのままでは、多様化するチャネルのバリエーションに対応することが難しいため、アーキテクチャから一新し、今後の拡張性を高めていく必要が出てきました。」

ANA JP customer story using sendgrid

求められたのは、大量のメールを瞬時に送る高い性能

中村さんは、当時の状況をこう振り返ります。

「まず取り掛かったのは、運航イレギュラー情報のSMS配信と、ANAアプリのプッシュ通知機能の追加です。そのためには、従来のメール配信も含めAPIを利用したシステムの構築が必要でした。たとえば大規模な災害で空港が閉鎖されてしまうような運航イレギュラーの場合、最大で数十万件のメールを送信する必要があります。この瞬間的なスパイクに耐えうる性能を備えたシステムを探し、選択肢に上がったのがSendGridでした。」

「想定される負荷にも十分に耐えうる性能をはじめ、サービスレベルの高さ、充実したサポート体制、世界的な採用実績などから、SendGridの導入を決定しました。またSendGridがTwilioに統合され、日本法人における活動を拡大していくフェーズと丁度重なったことも好タイミングだったと言えます」

従量課金制へのシフトで大幅なコストダウンを実現

「SendGridの導入からしばらくして、SMS配信サービスについても見直す必要が出てきました。当社では運航イレギュラー発生時の情報配信をはじめとして、様々なシーンにSMSを活用しています。SMSは携帯端末にタイムリーに情報を届けることができるため、特にイレギュラー情報配信においては重要なチャネルです。その利便性からSMSの配信数は年々増加していましたが、想定される大規模イレギュラー発生時にタイムリーな情報配信を実現するためには、さらなる配信性能の向上が課題と考えていました。」
「また、コスト面での問題もありました。コロナ禍で運航便数が減ったことに伴い配信数も激減する一方、固定費はそのままかかっていたのです。その点Twilio製品は使った分だけ支払う従量課金制かつ1通あたりのコストもリーズナブルなので、従来の1/3ほどにコストを抑えることが可能です。SendGridでTwilio製品の性能の高さを実感していたことも後押しとなり、SMS配信をTwilio Programmable SMSに切替える決断をしました。」

開発側・ユーザー側の双方にとって使いやすいサービス

「Twilio製品はAPIに関するドキュメントが一般に開示されており、リファレンスも充実していました。そのため開発はメール配信機能(SendGrid)でおよそ3~4か月程度、SMS配信機能(Programmable SMS)でも5か月弱と、スムーズな進行に繋がりました。私たちユーザー側にとっても、コンソール画面が非常に扱いやすく、実績レポートの確認や運用状況の確認も容易です。現状メールのバウンス率はわずか1%台ですが、なぜ届かなかったかを追跡することができるので、精度を高めるための検討をしやすいことも導入後の大きなメリットです。またアカウントの下にサブユーザを作成する『サブユーザ機能』を使えば、用途に応じたサブユーザをコンソール画面上ですぐに作成できます。運航イレギュラー通知という重要なサービスには影響を及ぼさず、かつスピーディに新サービスを追加できることは、今後の機能拡張のしやすさに繋がってくると思います。」
「開発段階では、IPウォームアップに関する課題などが発生しましたが、Twilio側と検討を重ね、無事稼働を迎えることができました。Twilioの担当者は常にわが社のサービスをどう成長させていくか、という視点で親身に向き合ってくださるので、良い信頼関係を築くことができています。」

「開発段階では、IPウォームアップに関する課題などが発生しましたが、Twilio側と検討を重ね、無事稼働を迎えることができました。Twilioの担当者は常にわが社のサービスをどう成長させていくか、という視点で親身に向き合ってくださるので、良い信頼関係を築くことができています。」

柔軟な拡張性を活かした展開は未知数

「 日々新しいコミュニケーションの手段が生まれていることもあり、今後は予約、空港、搭乗など、シーンごとに 適切なチャネルも変わってくるのではないかと考えています。最適なチャネルで確実に情報を受け取ることができ、CXの向上に繋がるような取り組みを発展させていきたいです。メール・SMS配信については現状大きなトラブルもなく、安定した運用ができていますので、これからもその性能の高さとTwilioならではの柔軟な広がりを活かし、お客様との新たなコミュニケーションを活性化させていきたいですね。」

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